『独立開業・繁盛ノウハウ』~小さな店をひらく!/『Table D' Hote(ターブル ドット)』/8.8坪・イタリアン~
- 2010年6月10日 09:38
■■お話を伺った人■■
日暮勝秋さん
割烹料理店を営む家に生まれ、高校時代には調理師免許も取得していた。携帯電話の販売会社やワインの輸入会社などに勤めたあと、「25歳までに独立したかった」という夢をかなえて、『ターブルドット』をオープン。
「主人がもてなす食卓」
証券会社の街として知られる茅場町。駅からは徒歩4分ほどの好立地だが、周囲に飲食店は少なく、事務所仕様のビルに囲まれたビジネスエリア。通りすがりには、「こんな所に?」と意外にも思える場所にあるのが『ターブルドット』だ。
「主人がもてなす食卓」という意味の店名は、ヨーロッパのベッド&ブレックファスト(家族経営の小規模宿泊施設)に学んだ、素材を活かし、温かく素朴な料理を出すというオーナーシェフ日暮勝秋さんの思いが表れたものだ。
「塩ではなく、旨みで味を決める料理が好き。いい食材があれば、その食材本来の旨みを引き出した料理を出したい」
日暮さんの前職は、ワインのインポーターだった。よって、ワインへの愛情は人一倍だ。あえてワインリストは置かず、お客の要望を聞いた上で提案&プレゼンをするスタイルになっている。
「リストを置いたら、指で指しておしまいじゃないですか」
例えば、「今日は暑いので、白のキリッとしたフルーティーなワインが飲みたい」とオーダーしたとする。すると、4本のワインがワインセラーから運ばれてきて、1本1本について熱の入った説明が始まる。
「お客様も要望や好みを口にした時点では、イメージが漠然としていることが多いです。だから、要望にピッタリあったものだけでなく、少し外れたものも一緒にお持ちします。選択の幅を広げることと、会話を膨らませるきっかけにもなりますよね」
このスタイルで、7000~8000円のワインも頻繁に出るという。料理のみでは3500円という客単価から言えば、驚異的なことだ。
一人ひとりのお客と密に関わることを望み、オーナー自身が愛情と情熱を持ってもてなす、それがこの店の最大のサービスと言えそうだ。
MENU
【ココがこだわり!】
1. Bed&Breakfastから学んだ「主人がもてなす食卓」
2.素材を活かした料理=塩味よりも旨みで味を決める
3.ワインリストを置かず、プレゼン重視!
イタリアンを中心にしたメニュー展開。奇抜さを狙わず、素朴な美味しさを重視する。
ポーションが大きめ(ハーフサイズもあり)なのは、1人客よりもグループ客が多いから。女性同士のお客が7割を占める。
ランチには、仕込みはかかるが茹で時間の短い自家製生パスタを。ディナーには、茹で時間はかかるが美味しいファエッラ社製の乾パスタを、とオペレーションも考え使い分ける。
ワインは、イタリア、フランス、日本のものを赤50種、白15種程度、3,000円~1万円台で用意。「ワインにも旬がある」という信条から、1週間で品を入れ替える。「自家製フォカッチャ」は、あまりの評判に小売販売も。500g1,000円(予約制)。
INTERIOR
【ココがこだわり!】
1.トスカーナを思わせる温かく素朴なインテリア
2.オーナー自身が撮った家族の写真!
3.見せる収納! 食材や食器もインテリアに!
■厨房(キッチン)
サンウェーブグループのSWキッチンテクノに店舗内装も含め、設計施工を依頼。機器もサンウェーブ社製の新品を購入した。小さな厨房では、壊れた場合の機器の搬出搬入が大変なので、中古品は心もとないと判断した。
冷蔵庫は家庭用と併用。コンロは3口。奥の1口はパスタを茹でる用に常に使われる。
1人で調理にあたる使い勝手を考え、体を動かさなくても手を伸ばせば何でも届く位置に調理器具を配置。
吊り棚やマグネット式の包丁ホルダー(IKEAで購入)を上手に活用し、空中スペースを無駄なく使っている。面積の小さな厨房では、この空中使いがスペースの有効利用につながる。
■収納(ストック)
客席のベンチシートは、中を収納に。食材のストックや食器のスペアなどを保管する。また、厨房内の壁には市販の棚(無印良品で購入、石膏ボードに取り付けられる)を付けて、食器や調理器具の収納場所に。
バックカウンターにはグラス棚(上2段)を設け、グラスやボトルをきれいに陳列。見せる収納にしている。
下2段は客席からは見えない位置なので、こちらも市販の棚(無印良品)を取り付け、細々としたものを収納。
更衣室がないので、営業中、スタッフの荷物はボックスにしまっておく。ふたを閉めれば、中は見えない。
【shop info.】
Table D' Hote
東京都中央区新川1-7-10 港新川ビル1階
TEL:03-3206-2322
営業時間:11:30~14:00、18:00~23:00
定休日:日曜・祝日
最寄駅:日比谷線茅場町駅
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【shop data】
経 営:日暮勝秋
開業日:2007年10月2日
坪 数:8.8坪
客席数:14席
家 賃:18.9万円
立 地:ビジネス街
客 層:30~50代サラリーマン・OL、女性同士
客単価:昼1,300円、夜6,500円
1日の平均来客数:35人
月 商:200万円
【開業費用】
出店費用総額:1,100万円
自己資金:250万円
借入金:850万円(日本政策金融公庫)
物件取得費210万円(19.0%)
内装工事費400万円(36.4%)
厨房機器費170万円(15.5%)
運転資金320万円(29.1%)
「独立開業応援雑誌『新しい飲食店開業』6月号より転載」
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