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特集

ソムリエが見た婚活の実態2

  • 2010年2月23日 16:25
  • アクシュニュース
  • ミクシーでつぶやく

 前回はフレンチレストランでの男の婚活パターンとして『演出型』『なんでもプレゼント型』『純情型』の3つを紹介した。(http://aqsh.net/feature/post_310.html

バブル全盛の頃はほとんどがこれらの型に当てはまり、それぞれの個性を盛り込んだ形で進化していったのだが、あくまでもその主役は男であり、アラサーが主役の今とは逆の構図である。今回はそれらを深く掘り下げて、男たちの婚活にまつわる諸々の出来事を紹介したい。

 

 

■"シニアソムリエ樽山香人氏"の思い出深き出来事

フレンチレストランである以上、当然フランス料理とフランスワインとなるのだが、これが男たちにとってみれば難解極まりなく、いきなりメニューやワインリストをみせられてもわからないものだらけだった。

女性の前では慣れた男に見られたいという心理が働くのだろう。この心理は意識をしている女性の前では男としては共通のものだと思う。しかも婚活という最大の目的があるならば尚更だ。

 

予約をしたいが何も分からないので料理とワイン、食事の際のマナーの簡単な講習をしてくれという猛者がいた。テープレコーダー持参で大学ノートに必死でメモをとっていた姿が忘れられない。もっとも講習を終えた後、予約の日時、当日の料理メニュー、ワインのチョイスとすべて決めてしまい、講習というよりは事前リハーサルのような按配になってしまった。

とは言え当日は驚く程にスムーズな会話と動作で食事を終え、めでたく自分の思いを相手に伝えていた。ソムリエとして、またサービスマンとして喜びのひとつである。

 

 当事、高級レストランならば女性には値段を表記していないメニューやワインリストを渡すのがマナーであった。これは男性がホスト、女性はゲストという位置付けであり、ものを決めて支払うのはホストの役目、すなわち男の義務であるといったような暗黙のルールの存在である。

ところがある時、女性に値段のついたメニューが渡ってしまったのである。この場合、店の側の大きなミスであり、その場の空気によってはメニューを回収し改めてルール通りに渡すことは可能だが、ほとんどは不可能に近い。ここは黙って成り行きを見守るしかなかった。

何事もなかったかのように男性はこちら側のアドバイスに耳を傾けた。前菜から順番にメインディシュ、そしてワインを選ぶ際の料理とのバランスなど、ことごとくと当初予定していたものとは別のオーダーとなった。女性は不安と喜びと何とも複雑な表情をしていたものである。

 

この時代は、一般的なフランス料理のなかで3種の神器と呼ばれたキャビア、フォアグラ、トリュフという素材を使った料理を殊更に強調していた頃であり、あたかもフランス料理の代名詞のようになっていた。またワインと言えばボルドーワインのステータスと一部のブルゴーニュワインが大手を振っていた時代である。

 

薦める側はその場を読んでアドバイスするものだが、価格表記のないメニューを渡してしまった以上、価格の高いものは薦めづらい。

ところがどうしてもフランス料理、フランスワインのイメージがあり先にあげた名の通ったものを選択してしまいがちだ。こちら側から高すぎるのでやめた方がいいとは言えるものではない。

しかし、結果的に高い価格のものばかりを注文したケースが多かった。女性側からすれば『私のために無理してくれた』と思うのは当然だろう。女性にこう思わせればしめたものである。

会話も弾み食事も楽しくこの日のシャトーワインもきっと忘れられぬものになる筈だったのだが、さて支払いはとなり、この後はご想像のお任せしたい。店の側からしても申し訳なさが残る場面であった。(もっともお二人のためにデザートと食後酒をサービスさせていただいたが・・・)

 

 

 この事例を見るにこの時代の男たちはバイタリティーと悲哀、それぞれの美学、こだわり等、とにかく一生懸命であったというのが実感である。それがバブル期の後、90年代中盤から後半にかけて驚くほどのスピードでライフスタイルが変化してしまい世の中ががらりと変わったような気がしてならない。

飲食も同様である。その背景として携帯電話の普及がある。(まだ出始めの頃は、セレブ風の若手経営者、特にデザイン系、アパレル系、芸能プロダクション系などの関係者達が今の携帯電話とは比べ物にならない程の大きな端末を持ち歩き、レストランの席に着いたとたんにテーブルに置かれたのが懐かしい・・・)

 

 携帯電話がコモディティ化するにつれ一部の男だけの持ち物から一気に一般に普及し、レストラン事情が相当に変化したように思う。

例えばインターネットの飲食店情報サイト等での情報収集の容易さは本来体験によって味わえるものをバーチャルで可能にした。

そしてこれらを巧みに生活の中に取り入れたのが現在アラサーと呼ばれている当時20代の女性達ではなかろうか。

その頃巷ではワインブームが到来し、ワインスクールは女性たちで溢れ、レストランは女性たちをターゲットとし、またかつて男の職場であったレストランにも進出しと、既にこの頃、今のアラサーへの萌芽があったように思う。

 

 次回はこのような事例を踏まえて、現代の婚活について"シニアソムリエ樽山香人氏"が指南する。乞うご期待!
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