おいしい焼酎講座 第30回「涼やかな雰囲気を演出する」
- 2009年7月10日 17:53
季節はあっという間に夏。相変わらず蒸し暑い日本の季節がやってきましたね。気温が上がれば、お酒が飲みたくなる気分が盛り上がるところ。夏の商戦もお客様の心をグッと掴んで乗り切りたいものです。
さて、こんな暑い季節だからこそ、クーラーの効いた店内もよいですが、蒸し暑い中、キンキンに冷えたビールが美味しいのは、そこに「気温」というギャップがあるがゆえ。さらに五感に訴えることで、涼やかな雰囲気を演出することができます。焼酎などの蒸留酒は、元来、気温が高いか、極端に低い土地で愛用されてきたもの。その性質も生かしつつ、五感をフルに刺激して、夏に味わう焼酎のおいしさを2倍にも、3倍にもしてしまいましょう。
まず、「視覚」から。涼しげな雰囲気は色のバランスからしても青や、透き通るようなグラデーションや透過する色から。焼酎に薩摩切子が選ばれるのもおいしさを演出する基本的要件を満たしているからかもしれません。ただし、1つ3万~5万円と高額なもの。代わりに沖縄で愛用されている、色ガラスを使ったものは比較的安価に販売されていますから、それらを用いるというのも良いでしょう。
次に「聴覚」。心地よい音は、人のココロを穏やかにさせてくれます。普段出している焼酎の水割りも、マドラー1つつけるだけで、雰囲気もグッと変わります。マドラーをまわすたびにグラスと氷がぶつかり、涼やかな音を奏でてくれます。透明か半透明のものを準備できれば、それだけで、夏の蒸し暑さからほんの一瞬開放させてくれるでしょう。
そして「触覚」。味わうという観点からすれば、唇での当たり具合や、舌の上でどのように感じるか、という点です。氷の形を変えることで、味わいを少しずつ変化させることができるのです。グラスに大きな氷を入れることで、氷に触れる部分、触れない部分で温度が異なり、口内の体温で温まった焼酎の香りを特に楽しむことができます。一方、シャリシャリ氷で水割りを作れば、氷に触れる表面積を増やすことができ、ひんやりした焼酎を造ることもできます。バーテンダーは氷ひとつに魂をこめるといわれるぐらいですから、提供する温度を気にして、工夫してみるのも面白いかもしれません。
残りは、「味覚」「嗅覚」ですが、前述の「視覚」「聴覚」「触覚」のすべてが準備されると、あとは味と香りは引き出されるままを味わうしかありません。つまり、「視覚」「聴覚」「触覚」をコントロールすれば、1つの商品であっても様々な味や香りが引き出せるということなのです。
自分のお店の雰囲気や料理にあわせてどのような五感を研ぎ澄ましたお酒の提供の仕方をするか、自分なりのスタイルを試行錯誤してみてください。そのお店なりの黄金比が見つかったら、お客様は有無をいわず、もう一杯、注文してくれるはずです。さあ、グラス、マドラー、氷の3点の組み合わせでおいしさを見つけることを、この夏の宿題にしてみましょうか。
株式会社味香り戦略研究所 ソリューションサービス部長 菅 慎太郎
SSI認定焼酎アドバイザー。
鹿児島大学ルネッサンスアカデミー(焼酎学講座)経営管理コース講師。
(詳しくは)
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