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飲食店失敗の研究 第3回「原価率を低くし過ぎて閉店」

  • 2008年7月25日 14:36
  • アクシュニュース

場所は銀座。業態はイタリアン。

 

経営母体は、中堅の外食企業。つまり、この連載でこれまで採り上げたような素人ではなく、プロ中のプロが経営する店である。

 

数十坪の後半という規模に、カジュアルながらファッショナブルな内装。客単価は4千円から5千円を狙っていた。

 

本社は、さすがに飲食企業。あらゆる数字を厳しく見つめている。店舗に対する指導には厳しいものがある。

 

中でも、原価率については厳格に目標設定されていた。本社が店舗に求めた原価率は、その業態の標準レベルからすると、かなり低い水準だった。つまり、高い粗利益率を狙っていたことになる。

 

それでも調理場のほうは、料理長が頑張ってキチンとしたメニューを構成していた。お客も料理の面では不満はないようだ。

 

しかし、ドリンクのオーダーが思うように上がらない。本社の要求する目標に届かないと、店長の評価は低下した。それは組織としては当然のことなのだが、店長個人としてはどうも納得がいかない。個人の自負と組織の評価との乖離。これは何も、この店に限ったことではなく、日本中、いや世界中で起こっていることかもしれない。

 

こうして店長が辞めていった。辞めては新たな店長が就任した。新しい店長は、前任者の否定から入る。よくあることだ。ドリンクメニューは、その度ごとに全面改訂された。

 

これが、開店してから何度も繰り返された。3ヶ月に1度くらいのペースで店長が入れ替わっていった。ドリンクメニューもコロコロ変った。

 

これではお客が定着しないのも無理からぬことだった。結局、オープンから3年持たずに閉店した。原価率を管理するのは当然のこと。しかし、お客にとってのバリューを見極めるのは、容易ではない。お客の期待する水準は、立地や業態、ターゲット層によって、微妙に異なるからだ。

 

さらには、その時の経済環境にも左右されるから難しい。

 

あるべきなのは、現場とのコミュニケーションを取れる本社なのか。それとも、現場を知らずに管理しようとする本社の宿命を所与として、本社を納得させる技量を持った店長なのか。両方揃えば言うことなしだが、どちらも欠落していたこの店は、最初から多難だったというほかない。

 

この連載は、すべて実話を基に構成しています。(杭杉能美子)

 

次回は、今回と正反対の事例を掲載します。

第4回予告:「お客様のため」を思い過ぎて赤字転落――高原価率がアダに...

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