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ワインブームとワインの誤解:その11 ~国産ワインの誤解 その4~

  • 2010年2月25日 10:10
  • アクシュニュース

ワイン関連コラム前回「国産ワインて甘くないですか?」というお話をしましたが、そうした声には「だからあまり飲まないんです」というメッセージも含まれているように思います。辛口、甘口は嗜好の問題ですから一概にどちらが良いと言えるものではありませんが、ほんのりとした甘さの国産ワインは和食に意外とよく合うということをもっと多くの方に知っていただけたら、ワインの楽しみがもっと広がるように思います

 

ということで「誤解」のお話ではありませんが、「甘口国産ワインは和食によく合う」という日本人に意外と知られていない和食と国産ワインの相性についてお話ししましょう。

 

★甘いお酒は好まれない?

実は「甘口ワイン」というテーマは、国産ワインとの絡みではなくそれだけで1回のお話にしてしまおうかと思うほど重要です。「甘口は好きじゃない」という方があまりにも多いからです。

 

甘いお酒というと、リキュールのような、ややしつこいくらいの甘さを持ったお酒を連想される方が多いでしょう。そのような強い甘さのお酒はたくさんは飲みにくいため、いわゆる「酒好き」の方には好まれないようです。そのために、たとえ強い甘さでなくても少し甘いだけでも敬遠される傾向があるように思います。さらには以前「白ワインの誤解」のときにもお話ししましたが、甘口ワインは初心者向けであり「通」が飲むものではないというような風潮まであるようにも思います。

 

確かに甘さの強いお酒はその甘さゆえに食べ物の相性は限られたものになりますし、甘さの強いものを口にすると血中糖度が上がって満腹感を催すため、たくさんは飲めません。しかし甘口とひとことで言っても甘さにもいろいろありますし、食事との相性を考えた場合軽めの甘さならかえってよい場合があります。

 

★日本の甘口ワイン

甘口ワインにはその代表格ともいえる貴腐ワインのような極甘口がある一方、ドイツのQbAクラスのようにほんのり甘いものもあります。日本で、国産ブドウで造られている甘口ワインは、ごく一部の貴腐ワインなどを除き、ほとんどは軽い甘さのものです。その理由はやはり日本の気候にあります。

 

日本では気候条件の問題などからヨーロッパほどブドウの糖度は上がりません。平均的な糖度は甲州種で1418度、交配品種のマスカットベリーA種でも平均20度程度です。みずみずしさを楽しむ食用としてなら十分な甘さではありますが、醸造用としては低い糖度です。一般的に甘口ワインを造る原料ブドウの糖度はだいたい40度~60度なのですが、貴腐ワインやクリオエクストラクション(凍結濃縮法)などを別とすると日本のブドウがそこまで糖度が上がることはまずありません。

 

また日本では欧米諸国と違って補糖をして甘口ワインを造っても違法ではありませんが、糖度が低くエキス分の少ない日本のブドウに糖分だけを足して醸造しても、甘さがあってもコクのない不自然な味わいの飲み物となってしまいます。そのため一般的に甘口でも軽い甘さのワインが造られているのです。そしてこのことは和食との相性を考えるときには大変重要な要素となります。

 

★和食にはやや甘口の国産ワインが合いやすい!

和食では様々な料理に砂糖やみりんを用いて甘さを加えます。また肉や魚を野菜や出汁と一緒に料理していただくことが多く、煮物やおひたしなどもともと水分の多い料理や、揚げ物や焼き物などでも最後に出汁やしょうゆなどとともにいただくなど、しっとりと水分の多い食べ方が多いのも特徴的です。こうした料理に例えばシャブリのようなコクのある辛口の白ワインを合わせたときに、辛すぎる、というか酸っぱすぎると感じることがよくあります。

 

これは料理の甘さや水分がワインのしっかりした酸味やミネラル感を不快なほどに際立たせてしまう、ということなのです。ところが国産の軽い甘口ワインはエキス分がもともと少なく酸を含んでいるといってもシャブリのようなコクのある辛口ワインに比べれば少ないため、甘味や水分の多い食事と合わせても酸味やミネラルがそれほど際立たず、また料理の甘さにほんのりとしたワインの甘さもほどよく合うのです。料理とワインのマリアージュに関して、よく「料理のコクとワインのコクを合わせる」といいますが、要はこういうことなのです。

 

日本で早くからワイン生産に取り組んでいた山梨では、晩酌に軽めの甘口ワインというのが定着しており、今でも地元の家庭消費用に甘口ワインを一升ビンでつくるワイナリーがいくつかあります。単に昔から馴れ親しんでいるという以上に、食事との相性についてもよく理解されているということなのでしょう。市販用には辛口しか造っていなくても自宅用にだけ甘口を造っているワイナリーもあるとか。そのような一升ビンの甘口ワインを地元の方々、特にご年配の方々は外来語である「ワイン」ではなく愛着をこめて「葡萄酒」と呼んでいるそうです。

 

貴腐ワインのような極甘口のワインと相性の良い食べ物は同様に甘さの強いものか苦味の強いものなどで、一般的にはデザートか一部のチーズくらいしかありません。これに対し甘口でもほんのりという程度なら、食べ物との相性は意外に広いのです。そして特に和食に関してはむしろ甘さがあるほうが相性がよい場合が多いのです。

 

★赤ワインと料理の相性

ちなみに赤ワインは白ワインに比べて香りや味わいの要素が多いために料理との接点も多く、辛口白ワインほど「これは合わない」と思わされることは多くないようです。これは洋食に限らず和食に関しても言えます。赤ワインは原料ブドウの皮や種を果汁と一緒に醗酵させて色素やタンニンなどを抽出しますが、芳香成分や味わい成分も同時に抽出され、スパイス香の種類が多く苦味や渋みもあるなど、香りや味わいの要素が果汁のみを醗酵する白ワインと比べて多く複雑なぶん料理との接点も多くなります。

 

また白ワイン醸造ではブドウに含まれるリンゴ酸を活かして爽やかな飲み口に仕上げることが多い一方、赤ワイン醸造では基本的に乳酸醗酵が行われリンゴ酸を乳酸に変えて酸味をまろやかに仕上げます。リンゴ酸の酸味は刺激が強いのに対し乳酸はまろやかで風味に複雑さもあり、これも料理との接点に影響します。料理と合わせたときに白ワインは酸味が際立って合わないように感じることが多いのに対し、赤ワインだと無難に合うことが多いのはそのためです。

 

「白ワインの誤解」のときにお話しした日本で赤ワインに比べて辛口白ワインの消費量があまり伸びていないこと、さらには世界的にも白より赤のほうが多く飲まれているのは、それも理由のひとつと考えられます。

 

★国産ワインを和食と楽しみませんか?

もちろん味の好みは人それぞれですから、さほどとやかく言うべきではないのかもしれませんが、甘口ワインも意外に楽しめるものなのだということを知っていただけたらもっとワインの楽しみ方に広がりが出てくるのではないかと思うのです。

 

前回お話しましたが実際のところ甘口よりも辛口の国産ブドウ100%ワインが多くなってきており、甘口の上質なものはあまり手に入れにくいかもしれません。しかしどちらにしても私たちは日本人なのですから、まずは先入観を捨てて普段の食事に日本のワインを合わせてみませんか。どちらにしても「どうにもこれは合わない」ということはそれほどなく、甘口でも和食には合う場合が多いのです。

 

 

さて、次回は最近コンビニやスーパーで目立つようになった「酸化防止剤無添加ワイン」について取り上げたいと思います。「国産ワインの誤解」という括りでお話ししてもよいのですが国産ワインに限ったお話というわけでもないので、「国産ワインの誤解」というテーマはこれでいったんおしまいにさせていただきます。

 

筆者自己紹介

ペンネーム:You

プロフィール:フランス料理店にて修業の後、最近まで都内大規模エンターテインメント施設にてチーフ・ソムリエをつとめました。以前このプロフィールでご紹介した中央葡萄酒(グレースワイン)の「ケルナー レイトハーヴェスト2008」ですが、原料ブドウの糖度が平均26度にまで上がっていたそうです。普通の食事にあわせるにはちょっと甘すぎるくらいの甘口ワインに仕上げることができたのですが、北海道余市の風土のポテンシャルの高さもさることながら、2008年は国産ワインの多くが良くないといわれている中で、そのくらい良いブドウが取れたということを中央葡萄酒の方々がうれしそうに、そして誇らしげに話されていたのが忘れられません。

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