酒場視考~ワンコインアップというスタンス~
- 2010年1月12日 10:17
しかし、価格軸が主役となった価格訴求型業態の増加は「食・飲」本来の魅力を希薄にしてしまい、マーケット・パワーそのものを減少させてしまうことにもなりかねません。今日はこの予算内で、といった計画性が高い消費行動の中で価格は重要な要素であることは間違いありませんが、やはり食材や調理技術といった原点帰りの意識もこれからの外食マーケットを成長させていくために大きな課題となってきているようです。
また、食材・素材に対する関心度はますます高まりを見せ、安心・安全の視点からだけではなく「美味しい」ことの追求にもレベルを上げてきています。この意識に対して応えていく姿勢が更なる低価格化へブレーキをかけ、わずかながらでもマーケット・パワーを上げていくきっかけとなりそうです。
今、外食マーケットの構造は節約・倹約消費によって、従来のピラミッド型(底辺からポピュラー、スタンダード、ベター、トップへの三角形構造)からプッシュピン型(ピラミッドのスタンダード、ベター、トップが細くなり底辺:台座のポピュラー部が幅を拡げたかたち)へ変化しています。台座の幅の拡がりはそのまま競合の激化を表すことになります。
コストパフォーマンス(CP)が当たり前となった今日、次に求められるのは価格を超えた「価値の満足」(VP)ということになるでしょう。食材・素材の仲卸業や生産者など食のプロ達も外食マーケットに参入してきています。そして、彼らの提供するMDは鮮度、調理技術などは当然素晴しく、コスト的にもメリットを与えて魅力ある業態を提供してくれています。それぞれの店舗が持っている武器(特化性)をブラッシュアップして「我慢の出来ない魅力ある」MDを創出し、ワンコインアップ(500円上)のマーケットを目差す(台座の厚みを造る)という意識を持つことから脱・低価格化への流れは創られるのではないでしょうか。
(有)スーパーゾーン:佐々木 聡
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