おいしい焼酎講座 第35回~じわりと伸びるその焼酎の名は?~
- 2009年11月10日 09:09
☆すっかり肌寒い季節になってきましたね。こんなときは焼酎のお湯割りで体を温めながら酒を一杯やりたいものです。さて、第三次焼酎ブームも落ち着きをみせ、多種類だった店頭からも品数が減りつつある焼酎ではあるのですが、その落ち込みに反して相対的に目立ってきた焼酎があります。それは飲食店でも、居酒屋でも、酒販店においてでさえ、気がつけば棚に並んでいる、「黒糖焼酎」です。
そんな黒糖焼酎の味の特徴は、芋焼酎とは異なる独特のコクと、あわせやすさ。特にカクテルなどでもベースのお酒として使うこともできますし、先の梅酒ブームで黒糖焼酎の原酒がひそかなブームだったように、「あわせやすい」お酒なのです。「芋焼酎」ならその味の個性から、鹿児島で提供される豚しゃぶやきびなごなどの料理が定番ですが、「黒糖焼酎」の場合は、蒸し料理や焼き物などとあわせても自然な形で味を引き立て、時に油っぽい口の中をさらりと流してくれます。同じ甘味でも、カタチで考えれば一目瞭然。サツマイモの甘さを生かす料理は少ないですが、砂糖を入れる料理は多数あります。その自然な甘さが多くの人に受け入れられていることでしょう。
そしてこの「芋以外焼酎」の進出によって、焼酎の「原料の違い」に注目が少しずつ向いてきているようです。麦や米の定番が売上復興してきたり、甲乙混和焼酎が店頭のオススメ売り場に進出してきたりと、チューハイのバラエティある品揃えに近い市場になりつつあるようです。こうなると俄然一人勝ちだった「芋焼酎」は苦境に立たされることで、店頭の芋焼酎は定番どころを押さええて在庫抑制する方向に流れていくのは、少々悲しいところ・・・しかし、蒸留酒がその香りと味わいでまた新たな切り口で見直されていくのだとしたら、長期的には望ましいことなのではないでしょうか。
さて、そろそろ師走も近づくところ、忘年会シーズンのはじまりですね。2008年の金融ショック以降、世の中の停滞した空気が景気後退の雰囲気を作り、昨年は暗い忘年会シーズンとなってしまいました。あれから1年。景気は底を打ったといわれているもののいまだ、力強い足並みまでは感じられないかもしれません。焼酎業界も長期貯蔵や原酒など厳しい市場環境を見据えての付加価値をつける努力を始めてきております。どうかすべてとは言いませんが、「1忘年会に1杯の焼酎」を是非オススメ願います。その1杯の焼酎が蔵元を元気にし、その元気がお酒となって世の皆様へ届けられることと思います。今年の締めくくりがどうか良いお酒、いや"よい焼酎"となるよう、忘年会の雰囲気作りを盛り上げていきましょう。
株式会社味香り戦略研究所 ソリューションサービス部長 菅 慎太郎
SSI認定焼酎アドバイザー。
鹿児島大学ルネッサンスアカデミー(焼酎学講座)経営管理コース講師。
(詳しくは )
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