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外食業にも役立つ【よその産業】の知恵 第3回 グッチやポルシェに学ぶプレミアム戦略

  • 2009年9月25日 09:06
  • アクシュニュース

執筆 経営評論家・藤原大輝

 

■第3回 グッチやポルシェに学ぶプレミアム戦略

 

 世はデフレで価格下落が止まらない。

 新聞もテレビも安売りの話ばかり。

 どうも日本人の性格というべきなのか、郵政民営化で小泉ブームが吹き荒れた時もそうだったし、急に風向きが政権交代となると正反対に押し寄せる。

 鬼畜米英から一転してギブミーチョコレートになった我々は簡単には変れないようだ。

 今の外食業界では、200円均一居酒屋などがもてはやされ、プレミアム化の話など持ち出すこともできない雰囲気が蔓延している。

 しかし、蓄えが磐石な消費者は、生活物資の物価が下落して笑いが止まらないのだ。

 そういう話は大衆には受けないからマスコミも書かないだけで、実は富裕層はびくともしていない。

 西暦2000年ごろのITバブルや、リーマンショック直前までの不動産ミニバブルなどで小金を溜めたニューリッチと呼ばれた人たちは、殆どが今回の不況で元気をなくしているが、元から富豪だった真正セレブ層は従来どおり健在だ。

 たとえば、日本郵船のクルーズ船事業は、固定客が何度もリピートして乗ってくれるので、この不況下でも好調を維持している。

 宝石や絵画も、ニューリッチ層が姿を消したために市況が値下がりしているが、本当の目利きにとっては非常に良い仕入局面となっている。

 ひるがえって、外食産業は、いただけない。

 前述のニューリッチなどの、いわゆる小金持ちを上得意だと勘違いしてぺこぺこしてきた店が多いから、ニューリッチ壊滅の状況下では、売上がまったく保てなくなって閉店の危機に瀕している自称高級店が巷に溢れている。

 本当の富裕層マネジメントをしてこなかったツケである。

 価格帯が高く、最高の料理と丁重なサービスを提供すればそれが富裕層に受けると早合点している経営者が未だに多い。

 だが、富裕層の心を掴むのはそんなに簡単ではない。

 遠藤功『プレミアム戦略』(東洋経済新報社、2007年、1800円)によれば、プレミアムな事業で成功するためには、「まずはこれまでの発想・思考パターンを完全に捨て去ることが肝要である」として、パラダイムシフトの必要性を訴えている。

 この本は、よくある成功物語集ではない。プレミアムゾーンで成功した企業や商品を虫食い的に採り上げては、もっともらしい後講釈を施す書物や雑誌記事は後を絶たないが、本書ではプレミアムに苦手な日本企業向けの処方箋を示している点で類書と異なる。

 そのエッセンスを抽出する。

 

1.大量販売思考を捨てる。

 本稿で前回までにお手本として推奨したトヨタ自動車が、珍しく失敗した例として、レクサスの導入期のマーケティングが槍玉に挙げられる。販売開始時点で143店舗も展開してしまった。「マスとプレミアムは共存しない」のだ。

 1921年創業のグッチは、1960年代には富裕層お気に入りのブランドに成長したのに、その後、拡大路線をとってしまい、「ブランドの大衆化」を引き起こして崩壊寸前に至る。その反省から商品ラインを極端に絞り込み、流通を制限したことで高級感を取り戻し、ブランド価値が数十位億ドルまで跳ね上がったと著者は言う。

 売りたい気持ちを抑え込まなくてはならない。これまでの姿勢から180度転換するわけだから、言うほど簡単ではないが。

 

2.カスタマーではなく、ファンを作る

 何でもかんでも顧客思考という発想がダメだ。売り手の価値観をお客に押し付けるのがプレミアム事業の真髄だ。

 つまり、お客は単に買う人ではなく、売り手の価値観(著者は、敢えて「主観」という言葉を使っている)に共感する人たちだ。

 「ポルシェには、5%の熱狂的な信者がいる」と言われており、そんな強烈な「共感」を示すファンの存在が、第2、第3のファンを作るのだ。

 まずコアな「信者」を創生し、その取り巻きのファン層が形成されてきたら、そこを刈り取るのだ。ローマは一日にして成らずである。

 

3.マーケティングではなく、ストーリーテリング

 著者によれば、『プレミアムとは「機能的価値」と「情緒的価値」の融合』である。

 ファンは、ここにブランドが培ってきた伝説や神話、熱烈な信者との間のさまざまな逸話を熱望している。

 このストーリー作りは、ブランド構築の重要な作業であり、造り手が自ら手がけるべきであるとされる。注意すべきは、この「ストーリーテリング」を決してマーケティング部門や広告部門に任せてはいけないということだ。

 外食業であれば、経営者か、料理長の領分なのである。

 

 いまこそ、高級業態は値下げブームに右往左往せず、根本からプレミアム戦略の王道を極めてみてはどうだろうか?

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