おいしい焼酎講座 第32回~割安感をいかに出すか?
- 2009年8月21日 17:18
☆さて、冷夏が続くこの季節(といっても都心部では暑かったり、寒かったり、気候変動激しいところですが・・・)お元気お過ごしでしょうか。外食産業の厳しい時代とも言われ、ついにコンビニ業界も売上が転換点を迎えるようになってきており、流通、卸業態の更なる統廃合はすすむものと思います。
そんな時代においても、売れる店、売れる業態はあるもので、最近話題の売れる店について今回は触れてみたい思います。
焼酎もいまや5号瓶(900ml)→4号瓶(720ml)→3号瓶(600ml)と、サイズダウンがすすんでおります。理由は簡単、一緒に飲む人の数が減っていること、一人で飲みきる量が減っていること、さらには他の酒類の価格下落による相対的価値の低下です。昔は「焼酎は安い」といわれ、庶民の酒というイメージがありましたが、発泡酒、その他雑酒、チューハイ飲料の多様性が出るほどに、手軽なお酒としての位置づけはもはやありません。おまけに先の第三次焼酎ブームにおいて、本格焼酎(乙類)の付加価値がひとつの魅力であったこともあり、"割高なお酒"というイメージも一部には付いてきております。こうしたことから、「どのお酒を飲む?」というときに、焼酎の相対的優位性は低下していることを前提に考えなければなりません。
さて、最近地方の特産品を集めたデパートなどの催事場で、特に人気の売り方があります。それが「量り売り」です。例えば、これまで1袋1,200円だったお土産用のお菓子が、「100g=○○円」という表記にされて、自分の買いたい量だけ買っていく、という売り方です。この売り方のポイントは、(1)一見する価格が安く見える、(2)量り売りなので、価格の決定権が消費者にあるように感じる(意思を持って買う事ができる)、(3)(たとえ買い過ぎても)「必要な量を買う」という言い訳ができる、という点で大盛況です。事例でいえば。1袋=200g入った地場の野菜を使ったポテトチップス(定価680円)を、「100g=290円」にし、入れる袋を300gにしておくと、そのとおり、皆300g程度買って行くというのです。(満たされないと増やしたくなる、人間の心理を上手く突いていますね。)値段にして870円。100g単位にしても割高ですし、量り売りなので、パッケージもコストダウン。利益率は通常製品
に比べて倍近くになるのです。売り方の工夫次第で、お客様の単価を上げることは可能だ、ということを実感させてくれますね。つまり、実質的に値下げや安いということではなく、「安く見える」ことによって、「得したように感じる」ということが重要なわけです。
では、焼酎に戻ってみれば、量り売りとは言いませんが、1杯当たりの提供量を減らし、数で儲ける、という戦略が成り立ちます。水などで割らないストレートベースの話ですが、試飲用の20ml、軽く一杯の40mlといったサイズで焼酎を提供し、見かけ上の単価を下げることによって、オーダー数を上げることができます。2種類しか飲めないよりも、複数種類飲めたほうがお得度は確かにあがります。売り方の美味いお店に「試飲セット」があるのは、1杯600円×2杯=1200円よりも、試飲セットで1000円(3種類)+1杯(600円)=1,600円という客単価をあげるストーリーが出来上がっているわけです。お得感をあげる戦略、まさしく、「発想の転換」でどのお店でも明るい兆しを手にすることができそうですね。
株式会社味香り戦略研究所 ソリューションサービス部長 菅 慎太郎
SSI認定焼酎アドバイザー。
鹿児島大学ルネッサンスアカデミー(焼酎学講座)経営管理コース講師。
(詳しくは )
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